「 セラピスト 」と「 カウンセラー 」と「 占い師 」の違いってなんなんですか?
こんな質問をよくうけます。結論から先にいうと、明確な定義はありません。ひとによって意見はほんとうにバラバラ。それぞれにはっきりとした境界線もありません。たとえばタロットカードをつかうにしても、「タロット占い」と「タロットカウンセリング」があったりとか。
また、カウンセリングは「共感」「傾聴」がメインといわれます。だけどそれはセラピーもおなじ。もうなんかこれらの境界線はとっくに形骸化していて、意味をなしてないんです。お寿司も出てくる焼肉屋 があれば 焼肉も食べれる寿司屋 もある、もうそんなはなし。
ですので、今回は、「カウンセラー」と「セラピスト」と「占い師」を『肩書き』ではなく、『スタイル』で説明しようとおもいます。
セラピストとカウンセラーの違い
まずセラピストとカウンセラーの違いですが、こんな記事をみつけました。
セラピストとカウンセラーのちがいを抜粋するとこの部分。
セラピスト:能動的なアプローチを施すことが多い。体を動かしたり、五感に作用したり、心身に働きかけることで自己治癒力を促します。
カウンセラー:受動的な立場で話を聞くことが多い。答えを与えるのではなく「気づき」を促すことで、心の癒しを導きます。
http://www.therapy-jp.net/study-therapist
そう、この能動的か受動的かがミソなんです。個人的には、セラピストの能動的な部分って「お客さんに笑顔で帰ってもらうことに重きをおいているか」のことだとおもっています。
そのためならカードやアロマといったツールもつかいます。能動的、いじわるな言い方をすると「作為的」にそうするのがセラピストスタイル。
そして意識的にそこまでしないのがカウンセラースタイル。カウンセリングに対して「疲れる」「話したくない」という意見が出やすいのはそこの差かもしれません。
ちなみに僕はタロットカウンセラーではなく、タロットセラピストです。
・セラピスト = 親身になってくれる担任の先生
・カウンセラー = 頼りたくなる保健室の先生
セラピストと占い師の違い
というとセラピストは、「お客さんに都合のいいことしかいわないのか」というとそういう意味ではありません。たとえば私(セラピスト)の禅タロットですと、お客さんに
って相談されたとします。ここでいわゆる「お客さんに都合のいいこと」しかいわない場合だったら「 彼はあなたのことをおもってくれていますよ! いまはお仕事で忙しいだけです! 」といっておけばいいでしょう。
ただ禅タロットではカードのならびで「 あ、このひと、次の恋にいきたいんだ 」ってなんとなくわかります。たとえお客さんが口では「 全部わたしが悪いんです 」「 彼を傷つけてしまったんです・・・ 」「 彼は今、しあわせに笑っていますか・・・。そう、しあわせに・・・」なんていってても切りこんでみます。
と推測をまじえながら徐々にきいていきます。「 ほんとはもう、彼のこと、飽きてません? 」と。うまくいくとお客さんはこういいます。
って。「 彼とどうしたらうまくいきますか? 」と相談してきた本人も、ほんとうの自分は「 もう別れたい 」とおもっていることに気付いていません。もしくは、そのきもちに対して、見て見ぬふりをしています。
「 あ、そこに踏みきれない悩みや、思いこみがあるんだ 」と見ぬけたらニヤリ。(笑)
またそこについてお話をきいていきます。するとどうでしょう。
「 ほんとは・・・今の彼よりもっと素敵なひとが気になっているんです・・・ 」
「 じゃあ、別の恋を探してもいいんですね・・・ 」
「先生、ほんとに、ありがとうございます・・・」
「 I'll never forget... 」
「 彼・・・そういえば月末になるといつもお金を借りに来ていました・・・ 」
「 ・・・・・・。 」
「 あいつ・・・くそッ、あの野郎ぉぉぁあああアアアア!! 」
ってなります。
いや、なりません。後半は嘘です。もっとポジティブな感情でスッキリされます。
ね? 「お客さんに都合のいいこと」しかいわないわけじゃないでしょ。ちなみにさっきのお客さんにも最後、何かいうとしたら
もしくは・・・
こんな感じ。セラピストスタイルは60分なら60分のゴールに向かって「笑顔で帰ってもらうようにする」ことです。何らかの形でハッピーエンドにします。映画、ダンサー・イン・ザ・ダークみたいな終わらせ方はしません。(←急なバッドエンド)
それに対して、カウンセラースタイルならもっとプレーンに接してくれるでしょう。また、何度も通うことが前提だったりします。お客さん(クライアント)的にも話せない時、ありますもんね。
ただ良い終わらせ方をすることに重きを置いている占い師もカウンセラーもいるでしょうし、だからやっぱりスタイルでしかないなあと感じます。
セラピストと占い師の違い
じゃあ占い師はというと、さっきのタロットセラピーが
- カードのならびから「もう別れたい」とおもっている可能性を発見する
- 問診しながら、確かめていく
- 「あ、やっぱり別れたいんだ」と察する
- ゆっくりゆっくり整理しながら気付いてもらうお手伝いをする
こういった流れだとします。これがいわゆるタロット占いだったら
- カードのならびをリーディングする
- なんとかかんとかあって、最終結論はこう
みたいな感じでしょうか。別にそれが悪いとかではないです。霊視・霊感をつかって2つのステップだけで①~④の工程を踏んでる方もいるとおもうので。
実際私はカードも何もつかわず、というか、何もしゃべってないのに直近の悩みと、その解決策をいわれたことがあります。なんか手をにぎるやつ。(スピリチュアルなんだろうけど名称は謎)
ちゃんと当たっていましたし、あれはあれでおもしろかったです。的確なアドバイスをもらえましたよ。スピリチュアルを信じていないお客さんだと「なにそれ?」っておもわれちゃうのが欠点かも。
でも、私も、傾聴がないと基本的には「いや、喋らせて」ってなります。もしもあなたが占いを受ける時は、エンターテイメントとして体験するのがいいとおもいます。
さいごに
以上が、「セラピスト」と「カウンセラー」と「占い師」の違いです。
悩みがあるけど選び方がわからないなんて時。体験した人にどんな形で終わったかを聞いて、参考にしてみるのもいいかも知れません。
あなたがその道を進むのであれば、どのスタイルを取りいれますか?
正直、肩書きとしてはあんまり関係ないです。随分前ですが、キングコング西野さんも「 芸人とはその瞬間とっている姿勢の名前 」といって芸人を引退していましたね。もう肩書きがどうこうというのは古い。どんどん越境すればいい。
というか私はセラピストを名乗っていますが、説明が面倒なので占い師っていう時が全然あります。
だいじなのは、その人が目の前の人をどうしてあげたいとおもっているかです。何らかの形で心の奥まで癒していたら、それはもう心理療法(サイコセラピー)なのではないでしょうか。
というわけで今回も最後まで読んでくださってありがとうございました(*^^*)